相手の心に響く“キャッチコピー”とは?

相手の心に響く“キャッチコピー”とは?

レポート

みなさんは、これまで印象に残っている“言葉”はありますか?
本やマンガを読んで心に響いたセリフ、音楽を聴いて印象に残ったフレーズ、ふと目にした広告のキャッチコピーなど…。

私たちは日常の中で、たくさんの“言葉”を目にしたり耳にしたりしています。
そして、その“言葉”をきっかけに、自分の考えや行動が変わったという方も多いのではないでしょうか。

“言葉”は、人と人をつなぐコミュニケーションツールです。

今回は「キャッチコピー」に注目して、相手の心に響く言葉はどんなものなのか、考えていきたいと思います。

キャッチコピーとは?

キャッチコピーとは、読み手の心を掴むための文章のことです。

企業や商品に興味を持ってもらえるように、訴求テーマをごく短い言葉で表現し、印象的に伝えることで、読み手の心を動かします。

ボディコピーとは?

ボディコピーは、ブランドや商品の魅力を伝えるための文章です。

キャッチコピーで興味を引き付け、キャッチコピーに込められた“想い”を読み手に詳しく伝えます。

考える。書く。考える。書く。考える。
www.pilot.co.jp

キャッチコピーを作るうえで大切なこと

① 伝えたい“想い”を明確にする

伝えたい“想い”があるからこそ、人の心に響いたり、人の気持ちを動かしたりすることができます。

キャッチコピーと聞くと、「言葉」に注目してどう表現すればいいか考えてしまいますが、かっこいい言葉やオシャレな言葉を使っても、相手に伝わらなければ意味がありません。

まず、自分が相手に伝えたい“想い”を明確にしたうえで、どう表現するか、という順序で考えることが必要です。

② ターゲットを明確にする

ターゲットを決めず、みんなに伝えようとすると、誰の心にも響かない言葉になってしまう可能性があります。

ターゲットがぼんやりしていると、中身もぼんやりしてしまうためです。

身近な人の顔を思い浮かべてどのように伝えるかイメージしたり、この人だけには伝えたいという気持ちで考えたりすると、上辺ではない言葉が出てきやすくなります。

相手の心に響く“言葉”の表現方法

想いやターゲットを明確にしたうえで、言葉をどのように表現すると、より相手の心に響くのでしょうか?
さまざまな表現方法がありますが、今回は3つご紹介します。

① 繰り返す

繰り返しには、2つの方法があります。

A. 同じ言葉を繰り返す
同じ言葉を重ねて使うことで、大事なことを読み手に印象付けることができます。
やさしさをつくる。やさしさでささえる。(ユニ・チャーム)

B. 同じ言い回しを繰り返す
文章にリズムが生まれ、耳にも記憶にも残りやすくなります。
おいしいを、ずっと。あたらしいを、もっと。(ケンタッキー・フライド・チキン)

② 対句でギャップをつくる

2つの異なる意味の言葉を並べることで、インパクトが生まれ、言葉に強さを演出させることができます。
一瞬も一生も美しく(資生堂)

プラスとマイナスな言葉、ポジティブとネガティブな言葉を組み合わせることで、伝えたい内容を際立たせることができます。
世界は「ない」と言った。キリンは「ある」と思った。世界初の乳酸菌。(キリン)

③たとえる(言い換える)

何かにたとえたり別の言葉に言い換えたりすることで、読み手とイメージを共有しやすくなります。
商品の価値などを何かにたとえられないか考え、読み手にもわかりやすい言葉で表現すると効果的です。

日本を、1枚で。(東日本旅客鉄道)
「Suica」のキャッチコピーです。
Suicaを「1枚」で表現し、いろんな場所へ行けることや支払いが手軽にできることなど、Suicaの利便性をとてもうまく表現していますね。

キャッチコピー・ボディコピーの考察

まず、こちらのコピーをご覧ください。
サッポロビールの箱根駅伝のキャッチコピーとボディコピーです。
このコピーを読んで、みなさんはどんな印象を持ちましたか?

https://www.nakamuraconte.com/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88/
※サイトに2種掲載されていますが、2つ目のコピーです

まず、先ほどご紹介した表現方法の中で何が活用されているのか解説します。

1つ目は、【繰り返す】表現方法です。
「走る」という言葉を繰り返すことで、リズムよく強調されて、選手が走っている姿を読み手に印象付けています。

2つ目は、【たとえる(言い換える)】表現方法です。
沿道にたくさんの人がいて、声援がずっと続いている様子を、さまざまな言い回しで表現しています。

このコピーは、選手も、応援している人も、どちらにもスポットが当たっていて、箱根駅伝の情景をとてもリアルに表現していると思います。

声援はつねに、選手のすこし前から送られる。

という文章では、一部分に焦点が当たっているように感じますが、

走っても、走っても、いや、走れば走るほど、
声援は、前へ前へと伝わり、
ついに追い抜くことはできない

という文章からは、視界がぐっと広がって、沿道にいるたくさんの人の声援と、そこを走る選手の姿がリアルに感じられます。

襷をつなぐために懸命に走っている選手の姿が見えるような、
選手を応援している人たちの声が聞こえるような、そんなコピーだと思います。

今回はキャッチコピーについて解説しました。
何か印象に残った“言葉”はありましたか?

企業のキャッチコピーは、どんなことを大切にしているのか、企業の姿勢も読み取ることができますよね。
伝えたい“想い”を、どんな言葉でどんな風に表現しているのか…
気になるキャッチコピーを見つけたら、自分なりに読み解いてみると、何か発見があるかもしれません。

今後もどのようなキャッチコピーが出てくるのか注目したいと思います。

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