普段よく見かける電車の路線図。
路線図にもユニバーサルデザインの考えが取り入れられ、見やすくバージョンアップしているのをご存じでしょうか?
今回は小田急電鉄の路線図を例に、見やすさのポイントを解説します。
小田急電鉄は、駅構内等に掲出するサインシステムの構成・デザインについて、多くの方が快適に利用できるよう取り組みを行っており、2015年度から「カラーユニバーサルデザイン」※の取り組みを本格化させています。
2018年には路線図が一新され、以前と比べて見やすくなりました。
どのような部分が見やすくなったのか検証します。
※色覚の多様性に対応し、より多くの人が利用しやすいよう配色に配慮したデザイン
① 駅名:長い駅名が読みやすい
改訂前は上下均等に配置され、長い駅名は横長に変形していたため読みにくい印象がありました。下揃えに配置したことで、1文字の大きさが同じで窮屈な印象がなくなり、読みやすくなりました。
② フォントの太さ:細くなり見やすい
フォントの太さを細くしたことで、すっきりした印象となり見やすくなりました。
③ 路線のデザイン:シンプルで見やすい
図形の装飾はシンプルにした方が見やすいです。
改訂前はハイライトの装飾がありましたが、装飾をなくしてフラットなデザインとなり見やすくなりました。
④ 路線の文字:白抜き文字で見やすい
色覚の多様性に対応するため、路線にカラー名が明記されています。
改訂前は黒い背景に白文字をのせていましたが、白抜き文字に変更されました。
路線のデザインがシンプルになったことで白抜き文字が見やすく、すっきりした印象になりました。
検証は以上です。
文字・配置・デザインなど、見やすく工夫されていることがわかります。
乗り慣れている電車の場合、路線図を確認することはあまりありませんが、普段乗ることのない電車の場合、路線図の情報は利用者にとって重要です。
急行はどの駅で停車するのか、他社線への乗り換え駅はどこなのかなど、路線図で視覚的にわかりやすく情報を伝えることができます。
路線図の情報がわかりにくいと、急いでいるときは特に困りますよね。
企業努力によって、普段何気なく目にしているものが見やすくわかりやすく届けられているのだと感じました。