みなさまはじめまして、つながるデザイン研究所、所長の田中です。
はじめての投稿ということで、つながるデザイン研究所創設にいたる経緯ついて、私から少しお話しをさせていただきます。
私たちは普段、印刷物を中心とした様々な情報メディアを、わかりやすく改善するお手伝いを生業としています。たとえば、製品やサービスの内容を紹介するためのパンフレットや、製品の正しい使い方を説明するためのマニュアルなどが、より多くの人にわかりやすく伝わるような改善をしています。
情報がわかりやすくなることで、ユーザーやカスタマーはその製品やサービスを正しく理解できます。正しく理解することで、その製品やサービスに興味を持ちます。あるいはもっと好きになります。
そして、そこにはヒトとヒトやヒトとモノのつながりが生まれます。このつながりを生み出すこと、つまりコミュニケーションをデザインすることが、私たちの役目だと考えています。
このような、私たちの取り組みをより多くの方に知っていただきたく思い、このたび「つながるデザイン研究所」を創設いたしました。
私たちは、つながるデザイン研究所を通じて、様々なコミュニケーションの課題を提起し、共感いただけるみなさまとともに、課題解決に向けた活動をしたいと考えています。
たとえば、極端に文字を大きくした案内パンフレットを見かけることがあります。おそらく、高齢者や目の不自由な方が見やすいように配慮されたデザインだと思います。
2021年現在、65歳以上の高齢者は人口の25%を超えており、2030年には30%を超え、人口の約3分の1が高齢者という時代を迎えようとしています。そのような中で高齢者に配慮したデザインという取組みはとても大切なことだと考えます。
(総務省統計局ホームページより引用)
http://www.stat.go.jp/data/topics/topi1131.html
ただ、手法として極端に文字を大きくすることが正しい配慮なのか、本当に高齢者は見やすくなったのか、かえって見にくくなった人はいないのか、などまだまだ検討する余地があると思います。
また、日本語と英語、中国語を並記したパンフレットを見かけることもあります。これは、海外からの渡航者や在留外国人に向けた多言語対応の配慮です。英語と中国語が並記されたことで、日本語がまったくわからず、英語と中国語がわかる人はパンフレットを読むことができるようになりました。
しかし、ブラジルから来た人はどうでしょうか、ベトナムから来た人はどうでしょうか、そもそも、複数言語が並記されたことで、日本語そのものが以前よりも読みにくくなっていないでしょうか。
もしかしたら、複数言語を並記することよりも、日本語そのものを外国から来た人にもわかりやすくする方が、より多くの人に対して効果があるかもしれません。
このように、身の回りのわかりにくさや使いにくさに疑問を投げかけ、円滑なコミュニケーションの実現に向け、当研究所に集うみなさまとともに課題解決に向けて活動していきたいと考えています。
みなさまからのご意見・ご相談もお待ちしております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。