PowerPointのスライドサイズを、ワイド画面（16：9）にするか標準（4：3）にするか迷った経験はありませんか？
わずかな違いにみえますが、この2つを使い分けることで、資料をより効果的に見せることができます。
今回は、それぞれのスライドサイズの特徴と、使い分けのポイントをご紹介します。
そもそも何の比率？
「16：9」「4：3」という比率は、アスペクト比という、画面や画像の縦横比を表しています。
それぞれの代表例は以下のとおりです。
16：9の例
地上波デジタル放送・ＰＣモニター・DVD
4：3の例
アナログテレビ・古いＰＣモニター・VHS・iPadなどタブレット
それぞれのサイズ感をイメージいただけたでしょうか？
テレビで過去の映像が流れるとき、左右に余白ができるのは、この比率の違いによるものです。
PCモニターのサイズも、かつての4：3から16：9が主流になってきました。
それに伴い、PowerPointのスライドサイズも変わりました。
PowerPoint2010までは4：3だった初期設定が、2013以降は16：9になりました。
そのため、現在はこの2種類のサイズが選択できるようになっています。
以下は、それぞれのサイズです。高さは同じで、太さ（幅）だけが違うことがわかります。
つまり、比率は異なりますが、16：9は4：3を横に大きくしたものといえます。
それでは次の章から、選び方のポイントをお伝えしていきます。
魅せるスライドなら「16：9」
16：9サイズのスクリーンを使用している会場の場合、当然ながら16：9をおすすめします。
この場合、16：9の資料は画面いっぱいに表示できます。写真や図があれば、大きく、効果的に見せることができます。
一方、4：3の資料では、両端に余白（黒い領域）ができてしまいます。
この余白、ＰＣモニターで見る場合にはあまり気にならないかもしれませんが、大きなスクリーンで見た場合、特に他の登壇者と比較したときに見劣りしてしまう可能性があります。
このように16：9は資料を大きく見せ、プレゼン向きのサイズといえます。
しかし、以下の点に注意も必要です。
◆ 16：9の注意点
- スクリーンサイズの確認が必要
スクリーンサイズは会場によって異なるため、事前に確認が必要です。
複数のイベント会場のスクリーンサイズを調べたところ、大規模ホールでは主に16：9のスクリーンが使用されていましたが、会議室などは4：3も多く使用されていました。
- 小さく見えてしまうことも
スクリーンサイズが4：3だったり、印刷をしたりする場合、上下に余白ができ、全体的に縮小されてしまいます。
- ワイドだからこそのレイアウト
資料を大きく見せる分、レイアウトや使う素材にも気をつけなくてはなりません。
写真や図表の配置によっては、余白が気になったり、寂しい印象になったりすることがあります。
＜Before＞
このような場合は、ワイドの横幅を生かし、写真であれば思い切って全画面にしてみる、図表はメッセージを強調してみてはいかがでしょうか。
＜After＞
汎用性重視なら「4：3」
ウェビナーなど複数のデバイスで資料を閲覧する場合や、印刷も想定される場合は、汎用性のある4：3をおすすめします。
前述のとおり、4：3の資料を16：9の画面に表示するとき、左右に余白ができます。しかし、高さは同じなので資料自体が縮小されるわけではありません。
◆ スライドサイズ別の見え方の比較
また、手元資料として印刷する場合を考えてみましょう。
その際も、4：3はＡ4より少し小さい程度なので、そのまま印刷しても資料の見栄えに違和感はありません。
このことから、複数の用途が想定される場合は、見た目に影響が少なく対応できる4：3が汎用的でおすすめです。
今回は、スライドサイズの選び方をお伝えしました。
スライドサイズは、資料を作る前に、目的や用途を明確にしたうえで決めることをおすすめします。
目的や用途が明確になると、相手に資料を見せている場面をイメージしやすくなり、効果的なデザインを考えながら資料作成に臨むことができます。
また、資料完成後のサイズ変更は、文字サイズ・レイアウトの調整などでなかなか大変です。そのような手間を省くことにもなります。
些細なことかもしれませんが、実は資料の見栄えに影響する、大切な手順なのかもしれませんね。
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