癒しのクセモノ!角丸四角は取扱い注意

癒しのクセモノ!角丸四角は取扱い注意

2023年5月30日

四隅が丸みを帯びた四角形を、角丸四角といいます。
四角に比べて柔らかい雰囲気になるので、好んでPowerPoint資料などに使っている方も多いのではないでしょうか。
しかしこの角丸四角、むやみに使うと資料の印象を損ねる要因になります。
今回は、角丸四角のNG例と、適切に使うポイントをご紹介していきます。

角丸四角の3つのNG例

1. 角が丸すぎる

角が丸すぎると、不安定な印象になります。
また、中に文字を配置したときに、文字と枠の距離が近くなるため、窮屈な印象になります。

以下は、角の丸みを最小限にした例です。

四隅にも十分な余白ができました。

さらに、直線の割合が増えて、四角に近い形になりました。
「四角形」は、直線と直角から成ることから、「安定感」「安心感」を与える形状といわれています。
角丸四角も四角に近い形にすることで、角丸四角の「柔らかさ」と四角の「安定感」の両方を表現できるようになります。

2. 角の丸みがばらばら

角丸四角の角は、拡大縮小すると丸みが変わります。サイズが大きいほど、角の丸みが大きくなります。

丸みにばらつきがあると、不統一な印象を与えます。 複数のサイズの角丸四角を使う際は、角の丸みのばらつきに注意が必要です。

3. 角丸四角他の図形を複数使用

次のような例もよく見かけます。

前項の「角の丸みがばらばら」と原因は同じですが、重ねて配置することで、角の丸みの違いがさらに際立って見えます。
また、以下の例では他の図形と複数使用することで、煩雑で見にくい資料となっています。

ここまでは、ついやってしまいがちなNG例をご紹介しました。
次は、角丸四角を適切に使うポイントをお伝えします。

角丸四角を適切に使うポイント

1. 丸みを調整する

Power Pointの場合、角丸四角の丸みは、黄色の調整ハンドルを動かすことで調整できます。
この調整ハンドルを使って、角の丸みを適切に調整します。

ちなみにPowerPointには、角の丸み(角度)を数値で調整する機能はありません
そのため、この調整は目視で行う必要があります。

2. 図形デザインの主張を最低限にする

図形のデザイン要素は、それ自体が「情報」となります。

「線が太い」「線や色が使われている」ということも、読み手にとっては「情報」となります。
「ノイズ」と言い換えてもいいかもしれません。

ノイズは資料のスムーズな理解を妨げます。 角丸四角の場合、「角丸であること」が、すでに一つの情報なので、その他の不要なデザイン要素は最低限にした方がよいでしょう。

3. 「本当に、ここに角丸四角は必要か?」と自問する

ここまでで、角丸四角は意外に気を使う図形だということがおわかりいただけたと思います。
角丸四角は、1枚の資料の中に1~2箇所、限定して使うことをお勧めします。
角丸四角の特長である【強調・柔らかさ・親しみやすさ】を生かせる使用例をご紹介します。

参考:角丸四角の使用例

Before/Afterで比較してみよう

適切に使うポイントを踏まえて、先ほどのNG例を改善してみました。

【改善ポイント】
角丸四角は「今後の対応」の1箇所に限定
不要な見出しのナンバリング・デザイン要素を排除

「今後の対応」が強調されたことで、見やすく、よりメッセージ性のある資料になったのではないでしょうか。

応用編:角丸四角を使った吹き出しの作り方

資料の中で、「吹き出し」を使用することがあると思います。
しかし、PowerPointの標準の「角丸吹き出し」は、角やサイズの調整に制限があります。

角丸四角を使って吹き出しを作ると、丸みやしっぽの形状を自由に変更することができます。

吹き出しの作り方

角丸四角を作り、角を調整する

② 三角形を作り、「しっぽ」の形にする

③ 2つの図形を選択した状態で、「書式」>「図形の接合>接合」を選択する

④ 角丸の吹き出しが完成!

【注意角丸四角の中に文字を入れると、接合した時に文字の位置がずれてしまいます。

角丸四角の中に直接文字を入力

接合すると、文字の位置がずれる

この方法で角丸吹き出しを作る場合は、上からテキストボックスをのせて作成するようにしてください。

今回は角丸四角について紹介しました。
いくつか注意は必要ですが、適切に使えば、意図をより明確に伝えることができます。
皆さんもぜひ試してみてくださいね。

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