大阪・関西万博のユニバーサルサービスとサポート

大阪・関西万博のユニバーサルサービスとサポート

2025年4月より、大阪・関西万博が開催されています。

万博とは、「世界中からたくさんの人やモノが集まるイベントで、
地球規模のさまざまな課題に取り組むために、世界各地から英知が集まる場」です。

地球上のさまざまな課題を解決する方法のひとつが、「ユニバーサルデザイン」や「バリアフリー対応」であると言えます。
大阪・関西万博でも、さまざまなユニバーサル対応・バリアフリー対応が行われています。

ユニバーサルサービス・サポート
https://www.expo2025.or.jp/universalinfo/

以下は、ユニバーサルサービス・サポートページよりの引用です。

パビリオンや施設の計画・設計・建設は、大阪府・市の条例、バリアフリー法など関係法令を順守しています。
また、協会が策定した施設整備に関するユニバーサルデザインガイドラインにも適合しており、すべての来場者に安心安全に楽しんでいただけます。

大阪・関西万博で取り入れられている、さまざまなユニバーサル対応・バリアフリー対応。
その中から一部をピックアップして、調べてみました。

ヘルプマークの配布

大阪・関西 万博では、ヘルプマークの配布が行われています。
西ゲート・または東ゲート近くのアクセシビリティセンターにて、必要な方に配布しています。

ヘルプマークについて

ヘルプマークとは、東京都が作成したもので、外見からはわからない援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成されたマークです。現在は日本全国で普及しています。
ヘルプマークを持つことで、「支援を必要としていることを知らせる効果」と、それを見た方に「支援を促す効果」があります。
このマークを身に着けている方を見かけたら、電車内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をとってもらうよう呼び掛けています。(下記サイトより引用)

来阪外国人向けヘルプマークの配布について
https://www.pref.osaka.lg.jp/o090050/keikakusuishin/helpmark/2025/index.html

しゃべり描きアプリ

アプリ(しゃべり描きアプリ)を活用した筆談で、音声による情報が得にくい人に向けたサービスが行われています。

しゃべり描きアプリ
https://www.mitsubishielectric.co.jp/design/05/

しゃべり描きアプリは、話した言葉を指でなぞった軌跡に表示し、難聴の方や外国の方とのコミュニケーションを支援するアプリです。
聴覚障がいの方は、話している人の唇の動きを見て何を言っているかを判断することがあります。
ですが、誰かに地図を描いてもらいながら説明をしてもらう際、唇の動きと、地図を指さしている動きを同時に見ることができません。そのため、せっかく説明してもらっているのに理解するのが難しい・・・ということが起きてしまうそうです。
この気づきを大きなヒントに、「しゃべり描き」が生まれたそうです。

画像は公式サイトより引用

話した言葉を指でなぞった軌跡に文字表示するアプリ「しゃべり描きUI」です。お絵描き機能や10言語に対応した多言語翻訳などの様々な機能をもち、聴覚障がいや外国の方との円滑で多様なコミュニケーションの実現に貢献するものです。
(公式サイトより引用)

VoiceBiz® UCDisplay®

【説明動画】「VoiceBiz® UCDisplay®」より

日本語以外の言語を話す人に向けたサービスとして、日本語を含む13言語を音声認識し、高精度な翻訳文章として透明ディスプレイに表示します。
表情を見ながら対話ができるユニバーサルコミュニケーション翻訳サービスです。

VoiceBiz® UCDisplay®
https://solution.toppan.co.jp/newnormal/service/voicebiz_ucdisplay.html

人間が、物体を明瞭にとらえることができる「有効視野」は上下20度ほどだそうです。
このサービスは、有効視野に「相手の顔」と「テキスト字幕」の両方を入れることができます。
ディスプレイを挟む形で対面することで、翻訳されたテキストと、お互いの表情を見ながら、より自然に会話することができます。
海外からのお客さまに限らず、発話が難しい相手とのコミュニケーションの助けにもなります。

設置型ベビーケアルーム(mamaro)

ベビーケアルームは、授乳や離乳食、おむつ交換などができる完全個室型のスペースです。

画像は大阪・関西万博HPより引用

大阪・関西万博に設置されているのは、設置型ベビーケアルーム「mamaro」のようです。

mamaro
https://trim-inc.com/products/mamaro/

「mamaro」はママやパパ、赤ちゃん、家族のみんながリラックスできる、完全個室のベビーケアルームです。
(公式サイトより引用)

「mamaro」はスマホアプリ「mamaro GO」でリアルタイムに利用状況を確認したり、利用者のもしもの際(30分以上の利用時)には管理者にアラートが届くなど、こまやかな気遣いのある設置型ベビーケアルームです。
万博会場以外に、JR大阪駅や、大阪メトロ夢洲駅などにも設置されています。

設置場所の検索
https://trim-inc.com/maps

mamaro GO(スマホアプリ)
https://trim-inc.com/products/

カームダウン/クールダウンルーム

カームダウン/クールダウンルームは、来場時に気持ちが不安になったり、パニックになってしまった時に落ち着けるスペースです。

カームダウンボックス 画像は公式サイトより引用

デザイン性抜群のカームダウンスペース・ボックス【MOMOTTE】
https://kabin.life/service/calmdown/momotte/

大阪・関西万博に設置されているカームダウンボックス/クールダウンルームは、音や光の刺激で疲れてしまった時の休憩や、体調不良になりそうな時の避難場所として設置されています。
特に、感覚過敏のある方や、自閉症などでパニックになるおそれがある方にとっては、来場を断念することなく、万博を訪れることが出来る安心材料となりそうです。

カームダウンボックスはほかにも、空港や教育施設、博物館や図書館などにも導入されています。

参考記事:万博会場に気持ち落ち着ける「カームダウンルーム」 発達障害の子供らも来場しやすく
https://www.sankei.com/article/20250417-GZAVQO743FKCXAUFHT7DQKQ26Q/

参考:カームダウン・クールダウン Calm down,cool down について
https://www.ecomo.or.jp/barrierfree/pictogram/calmdown-cooldown/

夢洲駅改札付近のカームダウンスペース

二次元コードを利用したサービス

視覚の不自由な方の補助や、多言語対応として、会場に設置された二次元コードをスマートフォンで読み取るサービスが利用されています。

NaviLens(ナビレンス)

ナビレンス
https://www.navilens.com/ja/

ナビレンスは、視覚障がい者、多言語向けの移動を支援する音声情報提供アプリです。
会場内各所に設置された二次元元コードをスマートフォンのカメラで読み取ることで、位置情報や目的地までの距離等をお知らせします。
ナビレンスは、視覚障がい者などの二次元コードの設置位置を正確に把握することが困難な方でも、カメラをフォーカスする必要なく情報を得ることが出来るよう作られています。

ナビレンスとは?より

万博内に設置されたナビレンス 一例

ナビレンスの二次元元コードは会場内の案内板 、トイレ、デジタルサイネージに設置されています。

shikAI

shikAI QRナビゲーションシステム
https://www.linkx.dev/social-contribution

シカイは、視覚による情報が得にくい人に向けた移動を支援する音声ナビゲーションアプリです。

大阪・関西万博内では、会場内の点字ブロックに設置された二次元元コードをスマートフォンのカメラで読み取ることで、各地点から目的地までの最適なルートを音声ガイドします。

視覚障がい者向けナビゲーションシステム『shikAI』紹介ムービー より

「shikAI」のQRナビゲーションシステム は、駅構内の点字ブロックに表示した二次元コードを、専用アプリで起動したスマートフォンのカメラで読み取ることで、現在地から目的地までの正確な移動ルートを導き出し、音声で目的地までナビゲートするシステムです。
各二次元コードには正確な位置情報が紐づけられており、視覚障がい者の方が迷うことなく、ホームから改札を通り出口まで向かうことを支援します。(サイトより引用)

万博内に設置されたshikAI 一例

食べ物に関するピクトグラム

万博では、レストランやテイクアウトの食事が多数提供されています。
宗教上の理由やアレルギーなど、食事制限がある方が一目でわかるよう、ピクトグラムで提示されている場所があります。

フードピクト

FOOD PICT
https://www.foodpict.com

食材表示の絵文字「フードピクト」はISO(国際標準化機構)とJIS(日本産業規格)のピクトグラム制作規則とCUD(カラーユニバーサルデザイン)のガイドラインに準拠し世界1,500名への理解度・視認性・必要品目の国際調査から開発されました。

観光庁が推奨する情報開示に基づくインバウンドの食事対応の1ツールとしてアレルギーやベジタリアン、宗教上の理由により「食べられないもの」があるお客様との言葉や文化の違いを超えた正確なコミュニケーションを実現します。

(公式サイトより引用)

フードピクトは、大阪・関西万博会場内の大阪外食産業協会のパビリオン、飲食店など80カ所以上のメニューやプライスカードに使われているそうです。

参考記事「フードピクトは大阪・関西万博に協賛しています」
https://www.foodpict.com/post/250314

みんなのピクト

みんなのピクト
https://ucda.jp/research/minnano_picto.html

一部レストランでは「みんなのピクト」が使用されています。
「みんなのピクト」は、「わかりやすい食物アレルギーの表示」を実現するため、UCDAと株式会社電通が共同開発した UCDA認証ピクトグラムです。
ぼやけた状態でも見やすくデザインされており、冷凍食品や水滴のつく包装などにも使用されています。

UCDA認証について
https://ucda.jp/ninsho_mokuteki.html

参考記事「【お知らせ】2025年大阪・関西万博へ「みんなのピクト」を協賛提供しています」
https://ucda.jp/20250207_01_newspaper/

まとめ

大阪・関西万博で取り入れられている、ユニバーサル対応・バリアフリー対応の一部を調べてみました。
各案内所・アクセシビリティセンターでは、公式バリアフリーマップ・センサリーマップの配布や、触地図の設置もされているそうです。

map
https://www.expo2025.or.jp/expo-map-index/map/

大阪・関西万博へ行った際には、どの場所でユニバーサル対応・バリアフリー対応が取り入れられているかにも、少しだけ注目してみるのはいかがでしょうか?


余談

実際に万博へ行ってみると、パビリオン内にはエレベーターが設置されている箇所が多く、大屋根リングへもエスカレーターやエレベーター、スロープ、階段など複数のルートでアクセスできました。
また、パビリオンによっては、目の不自由な方に対してスタッフの方が説明をしながら介助している場面も見かけることができました。

一方で、不便に感じたのは、スマートフォンの操作ができることを前提としたサービスが多かった点です。
スマホやインターネットの操作に不慣れな方と得意な方とでは、利用できるサービスや得られる情報に大きな差が生じているように感じました。

インターネット接続ができない方や、スマホ・アプリの操作に不慣れな方が情報を得るには、もう一工夫が必要になりそうです。

また、SDGsへの対応として、全体的に印刷物を極力減らしているようでしたが、個人的には、パビリオンごとに紙のリーフレットのようなものがあると、より良いと感じました。
各パビリオンによっては、展示の説明をじっくり読み切れなかったり、展示の意図をもっと深く知りたいと感じる箇所がありました。

パビリオン内の地図や展示物の説明など、紙でも閲覧できる資料があると、インターネットやスマホの操作に不慣れな方もより多くの情報を受け取ることができ、万博をさらに楽しめるのではないかと思います。

そしてやっぱり「モノ」として形に残る思い出があると、万博が終わった後も記憶を振り返るきっかけになり、より深く思い出に浸れるような気がします。

大屋根リングからの夕日 とても綺麗でした