みなさま、はじめまして!
新しく「つながるデザイン研究所」の研究員として参加いたしました。
「かわら」と申します。
これからどうぞよろしくお願いします。
はじめに
これからつながるデザイン研究所(以降つなデザ)の研究員として記事を作成するにあたり、「コミュニケーションデザイン」とは何か?を考えてみたいと思います。
「コミュニケーションデザイン」を検索してみると、多くの方がその必要性について説明してくださっています。
また、つなデザでは、「コミュニケーションデザイン」について次のように説明しています。
コミュニケーションデザインとは、人と人・企業とお客さまとのコミュニケーションをデザインすることです。
コミュニケーションデザインによってわかりやすく情報を伝達することで、お客さまとのつながりをつくり出すことができます。
では「コミュニケーション」「デザイン」という言葉はそれぞれ、具体的にはどのような意味で使われてきたのでしょうか?
そして「コミュニケーションデザイン」とは、どういうものなのでしょうか?
改めてことばの意味を調べながら、探ってみたいと思います。
「コミュニケーション」とは?
(1)辞書的な意味
「コミュニケーション」という言葉はよく、「職場のコミュニケーションが大事」とか、「挨拶はコミュニケーションの基本」といった使われ方をしていますね。
それでは、「コミュニケーション」という言葉を辞書で調べてみます。
コミュニケーション
(communication)
- 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。
言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。
「コミュニケーションをもつ」「コミュニケーションの欠如」 - 動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。
引用元:デジタル大辞泉(小学館)
「意思や感情、思考を伝達し合うこと」「身振りや音声などによる情報伝達」とあります。
「伝達(伝える)」ということが重要なようですね。
(2)語源
次に、語源から、「コミュニケーション」という言葉が、これまでどのような意味で使われてきたのかを調べてみます。
すると以下のような結果が出てきました。
15世紀初頭、communicaciounは「伝達する行為、知らせる行為、議論すること」を意味し、これは古フランス語のcomunicacion(14世紀、現代フランス語のcommunication)に由来し、またラテン語のcommunicationem(主格はcommunicatio)「共有すること、伝えること、コミュニケーション;修辞法の一種」という名詞の形態が元になっています。これは、過去分詞形のcommunicare「共有する、分け合う、伝達する、情報を与える、結びつける、参加する」という動詞から派生しており、「共通にする」と字義的に意味し、communis「共通の、公の、一般的な」(common(形容詞)を参照)に関連しています。
引用元:エティモンライン – 英語語源辞典
少しわかりにくいので、以下の表にしてみます。
遷還 | 言葉 | 意味・由来 |
---|---|---|
①ラテン語の起源 | Communis | 「共通の」「共有する」 「分かち合う」「義務をともに果たす」 基本的な意味を形成。 |
②フランス語への変化 | Comunicacion (古フランス語) | 「共通の」「一般的な」 「自由な」「開かれた」「公の」 ラテン語の意味が引き継がれ、 より具体的な社会的な概念が加わる。 |
③英語での採用 | Communication (英語) | 「伝達」「意思疎通」 フランス語から英語に取り入れられ、 現代の「コミュニケーション」という言葉が 確立される。 |
「コミュニケーション」は、ラテン語からフランス語を経て英語に至るまで、「共通の」という意味を持ちながら発展してきた言葉だということがわかりました。
「話す」や「聞く」のように、情報があちらからこちらへと移動することだけを意味する単語ではないようです。
情報がきちんと伝わり、相手が受け取り、「共有する」ことを意味しているようですね。
「伝わる」コミュニケーション
では、ちゃんと「伝わる」コミュニケーションになるために必要なものはなんでしょうか。
もう一度、「コミュニケーション」の意味を確認してみます。
コミュニケーション
(communication)
- 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。
言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。
「コミュニケーションをもつ」「コミュニケーションの欠如」 - 動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。
伝えるための方法として、「言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。」とあります。
伝える相手に直接伝えたいときは、話したり、身振り手振りで伝えたりします。
また、現代では、実際に会う代わりにビデオ通話を利用することもあると思います。
しかし、相手が目の前にいないときや、より大勢のひとたちに伝えたい場合はどうでしょう。
身振り手振りの代わりに、別のものを媒介して意思を伝えなければいけません。
町内の祭りを知らせるためにチラシやポスターを作ったり、
使い方を説明する代わりに説明書を作ったり、
商品を紹介する代わりにコマーシャルを流したり……
情報を伝える・受け取るために、色々な媒体によって間を取り持ってもらう必要があります。
それもコミュニケーションの一つです。
そのときは、「媒体」に乗せる情報をどのように表現するかが、正しく伝わるコミュニケーションの重要な点になりそうです。
「コミュニケーション」のまとめ
「コミュニケーションデザイン」の「コミュニケーション」の部分について調べてみた結果、以下のようなことがわかりました。
- 意思や感情、思考を伝達し合うという意味
- 「共通の」という意味を持ちながら発展してきた
- 言語・文字・身振りなどを媒介して伝える
- 媒体を通して伝達する場合、情報の乗せ方で伝わり方が変わる
後編は、「デザイン」の語源、また「コミュニケーションデザイン」とは?について考えてゆきたいと思います。