感情に寄り添ったデザイン「エモーショナルデザイン」とは?

感情に寄り添ったデザイン「エモーショナルデザイン」とは?

レポート

みなさんは “お気に入り” の商品やサービスはありますか?
使うと嬉しかったり、楽しかったり、心が動いてしまうようなお気に入りのものがあれば、それは「エモーショナルデザイン」かもしれません。
今回はエモーショナルデザインについて解説します。

エモーショナルデザインとは

「エモーショナルデザイン」は、見た目や使いやすさに加えて、ユーザーにポジティブな感情をもたらすようデザインすることです。
アメリカの認知科学者ドナルド・ノーマンが2004年に提唱しました。
エモーショナルデザインは、ユーザーが “お気に入り” として長く使い続けたいと思ってもらうためのアプローチです。

なぜ「エモーショナルデザイン」は必要なのか?

現代は商品やサービスの選択肢がいくつもあり、すきなように選んだり簡単に乗り換えたりすることができます。
アプリ市場では、ダウンロードされたアプリの約80%がわずか数日で使われなくなることがわかっています。
ユーザーはお気に入りのものを使い続けるため、商品やサービスを提供する側にとっては “使える” だけでなく、“愛される” プロダクトになるようユーザーのロイヤリティを高めることが必要になりました。

エモーショナルデザインを構成する「3つの処理レベル」

ユーザーが商品やサービスの良し悪しを決めるとき、3つのレベルで脳内処理を行っています。
3つのレベルとは、①本能レベル ②行動レベル ③内省レベルです。
ドナルド・ノーマンは、本能・行動・内省すべてのレベルでデザインしなければならないと述べています。
ユーザーは①本能レベルと②行動レベルを行き来しながら、そのプロダクトからもたらされる感情を実感し、③内省レベルが形成されます。

エモーショナルデザインの事例「プティトワレ」

エモーショナルデザインは、身近な商品やサービスだけでなく、空間デザインなどにも応用されています。
今回は多様なトイレ空間にマッチする、子ども用トイレ「プティトワレ」の事例をご紹介します。

【出典】https://playdesign-lab.com/article/2429
https://www.g-mark.org/gallery/winners/9e2f6c6c-803d-11ed-af7e-0242ac130002?text=%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%AC

プティトワレは、「子どもがすすんでトイレに行けるようなやさしいかたち」がテーマとなっています。
衛生・排せつ・意匠の3方向からのアプローチで、より心地よく使えるデザインを目指して作られました。

さまざまな工夫がつまっていて、トイレを使う子ども・トイレを掃除する人、どちらの気持ちにも寄り添ったデザインですね。
オフィスにエモーショナルデザインを活用した事例があるので、興味のある方は下記URLよりご覧ください。

まとめ

お気に入りの「もの」「サービス」「場所」などについて、どんなところがすきなのか、その “お気に入り” を使うとどんな気持ちになるのか改めて考えてみると、今まで気づかなかった魅力や、作り手のこだわりを発見できるかもしれません。
自分の心がわくわくするものが身のまわりにあれば、より豊かな日々が送れるのではないでしょうか。
今後も「エモーショナルデザイン」に注目していきたいと思います。

今回の記事が2024年最後の更新となります。
みなさま「つながるデザイン研究所」をご覧くださり、ありがとうございました。
2025年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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